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売れる「ホームページのルール 22 キャッチコピー集 夏目漱石編」 q
売れる「ホームページのルール 」
漱石のキャッチコピー



■『漱石のキャッチコピー』


   『自己の心を捕へんと欲する人々に、
    人間の心を捕へ得たる此作物を奨む。』

              -夏目漱石「こころ」広告文より-




 これは、『夏目漱石 こころ』の発刊にあたって、
 書かれた広告文です。
 いわゆるキャッチコピー、ですね。
 自分の「こころ」を捕らえたい、と求めるみなさんに、
 人間の「こころ」を捕まえた、この作品をおすすめします。

 う~ん、読みたくなりますね。
 どんな作品なのだろう? 色々と想像してしまいますよね。
 このような「キャッチコピー」を、書いてみたいものだ、と、
 つくづく思います。



■真面目に正面から「言葉」を伝える


 キャッチコピーを考えよう、とすると、大袈裟な表現で、
 お客さんの気持ちを「激しく、あおりたてる」ものや、
 「洗練された、カッコイイフレーズ」のようなものを、
 考えようとする方も、多いかもしれません。

 確かに、そのようなコピーが有効な場合も多いかもしれません。
 実際に、効果も高いかも知れません。
 でも私の場合は、シンプルな表現で、簡潔に伝えるコピーの方
 が好きです。


   地味で、見た目はあまりカッコヨクない。
 でも、伝えたいメッセージは、しっかりと詰まっている。
 そんな「コピー」や「文章」が、書けたらと、いつも思って、
 います。

 一生懸命に作った「自分の商品・サービス」を、自分の言葉で
 正面から伝える。そうすれば、自分が探していた「お客さん」
 のところには、しっかりと伝わるのではないか? と、考えて
 いるからです。

   このwebを御覧になっている方も「真面目に正面から」、
 自分の気持ち&商品の魅力を「自信を持って 伝える文章」、
 キャッチコピー、を目指して欲しいと思います。
 その方がきっと「自分に合った、長く付き合えるお客さん」と、
 出会えると思いますよ。



■ちなみに「こころ」の冒頭文は・・・


 『私はその人を常に先生と呼んでいた。だからここでもただ先生と
  書くだけで本名は打ち明けない。(夏目漱石 こころ より)』



 です。
 書き出しも、ひきつけられますよね。
 ぜひみなさんも、高校生の頃を思い出して、もう一度読み直して
 みては、いかがですか?「自分の心を捕まえる」ことが、できる
 かもしれません。



(おまけ) 漱石と岩波の「こころ」を巡るエピソード


■実は「自費出版」だった。


 「こころ」に感動した、岩波書店の創業者・岩波茂雄氏は、漱石に
 直談判をして、出版の承認を願いました。


 当時の漱石は「売れっ子作家」
 岩波書店は「古本屋」


 大手の書店が、漱石の本を出版したいと願っている中、岩波氏は涙な
 がらに、漱石に出版の許可を訴えたといいます。
 その真直ぐな心意気(?)に感動した漱石は、なんと岩波書店からの
 出版を許可。みごと、許可を得た岩波氏はこう言ったといいます。


     「先生、出版のための資金も用立ててください」


 つまり、作家本人に「出版にかかる費用」も依頼するのですね。
 普通では、絶対にありえない依頼です。しかも、相手は人気作家の
 漱石。「ふざけるな!」と、一喝されて当然の状況な訳ですね(笑)

 ・・・ところが、漱石はこの「とんでもない依頼」を受けてしまうの
 ですね。出版の費用を自分で出す、いわゆる「自費出版」で「こころ」
 を出版することにしたわけです!

 そこで、広告のキャッチコピー、装丁まで自分で手掛けて「こころ」
 を出版したということなのですね。(この装丁に関しても、様々な
 エピソードがあります。気になる方は、調べてみて下さい)


 とにもかくにも、岩波氏は「こころ」を出版することができ、現在の
 岩波書店の礎を作る事ができた、ということです。ぜひみなさんも、
 このエピソードを思い浮かべながら、書店で「岩波文庫」の本を手に
 とってみて下さい。

今までの『教科書の中での漱石』とは違った、
人間としての漱石に出会えるかもしれません。



【参考】 「漱石の予告文」集
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 田舎の高等学校を卒業して東京の大学に這入つた三四郎が新しい空気に触れる、
 さうして同輩だの先輩だの若い女だのに接触して色々に動いて来る、
 手間は此空気のうちに是等の人間を放す丈である、あとは人間が勝手に
  泳いで、自ら波瀾が出来るだらうと思ふ、さうかうしてゐるうちに読者も
  作者も此空気にかぶれて是等の人間を知る様になる事と信ずる、もしかぶれ
  甲斐のしない空気で、知り栄のしない人間であつたら御互に不運と諦めるより
  仕方がない、たゞ尋常である、摩訶不思議は書けない。

 『三四郎』予告 より
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  色々な意味に於てそれからである。「三四郎」には大学生の事を描たが、
  此小説にはそれから先の事を書いたからそれからである。
  「三四郎」の主人公はあの通り単純であるが、此主人公はそれから後の男で
  あるから此点に於ても、それからである。
 此主人公は最後に、妙な運命に陥る。それからさき何うなるかは書いてない。
 此意味に於ても亦それからである。

 『それから』予告 より
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 吾輩は猫である。名前はまだない。主人は教師である。迷亭は美学者、
  寒月は理学者、いづれも当代の変人、太平の逸民である。
  吾輩は幸にして此諸先生の知遇を辱ふするを得てこゝに其平生を読者に
  紹介するの光栄を有するのである。
 ……吾輩は又猫相応の敬意を以て金田令夫人の鼻の高さを読者に報道し得るを
  一生の面目と思ふのである。……

 『猫の広告文』 より
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 参考資料 漱石全集 岩波書店

 

 



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