■今回は「ある作家」のプロポーズの手紙を紹介します。
まずは、御覧下さい。
ココカラ↓↓---------------------------------------------------
僕のやつている商売は 今の日本で一番金にならない商売です。その上
僕自身も 碌に金はありません。 ですから 生活の程度から云へば
何時までたつても知れたものです。それから 僕は からだも あたまも
あまり上等に出来上がつていません。(中略)
僕には 文ちやん自身の口から かざり気のない返事を聞きたいと思つて
います。繰返して書きますが、理由はひとつしかありません。
僕は 文ちゃんが好きです。それだけでよければ 来て下さい。(以下略)
ココマデ↑↑-----------------------------------------------------
これも、わりと有名な「恋文」ですね。
もう分かった方も、多いかもしれませんが、どうでしょうか?
なんだか、しんみりとした、気持ちが伝わってくる文章ですよね。
さて、この手紙を書いたのは??
答え
↓↓
◯芥川龍之介が、塚本文にあてて書いた手紙。
芥川龍之介の資料を見ると、この手紙が良く紹介されています。
読んでいると、なんだか
こちらまで、なんとなく気恥ずかしくなってくるような(?)
文章ですが、みなさんは、どのように感じましたか?
芥川といえば、羅生門を思い浮かべる方も、多いと思います。
--芥川龍之介 羅生門「冒頭文」----------------------------------------
ある日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。
広い門の下には、この男のほかに誰もいない。ただ、所々丹塗の剥げた、
大きな円柱に、蟋蟀が一匹とまっている。羅生門が、朱雀大路にある以上は、
この男のほかにも、雨やみをする市女笠や揉烏帽子が、もう二三人はありそうな
ものである。それが、この男のほかには誰もいない。
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う~ん、全然、雰囲気が違いますよね。
小説の文体では、語尾が違うだけではなく、
全体の雰囲気が「凛」と、しています。
まずは、2つの文章を、じっくりと読み比べてみて下さい。
■どちらが「自分らしく、気持ちが伝わるか?」
話し言葉で書くか?
それとも、文語調で書くか?
それだけでも、文全体の雰囲気は大きく変わってきます。
自分が「どのようなキャラクターを表現したいのか?」そして、
「どのような雰囲気で、文章を読んでもらいたいのか?」で、
使い分けていかなければ、ならないのですね。
私も、いただいたメールを読んだ印象では「ちょっと厳しいそうな、
神経質そうな感じの人」だと思っていたのに、
実際に会ってみると「親切で腰が低い、優しい方だった」と
いう事が、何度もあります。
そのような文体で、書いている人は、
ある意味「損をしている」部分があると、
思います。本当は「優しく親切」なのに、文章が冷たそうなので、
問い合わせを控える人だって、いるかもしれません。
■使い分けよう。探してみよう。
みなさんも一度「自分の文章で『自分らしさ』は表現できているか?」を、
確認してみて下さい。
そのために、様々な文章を読んで、
真似て「自分に合った文体」を探してみて下さい。
自分は「どのような人間だと思われたいのか?」
そして「どのような自分を演出したいのか?」つまり、
自分の『スタイル』を、文体を通して、ストレートに表現する。
と、いうことですね。この部分に気が付いていないために、
作成者の魅力が伝わっていないパターンが、本当に多いですよ。
「実際に会ってみると、いい人なんだけどな~」では、
駄目なのです。文章であなたの『スタイル』を、
伝えなければ、いけないのです。
自分らしさを伝えるために、一度「文体」を確認してみては、
いかがでしょうか?芥川に負けず(?)に、
思いっきり、いつもの自分とは違った自分を、
文体をかえて表現するのも、おもしろいかもしれません。
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