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目の前の壁を越える瞬間(その1)

(その1)壁は「気がついたら」越えているもの。

 
自分の壁を越える、というと、ある日突然「パーン!」と飛躍をするというか、座禅をしていて悟りを開くように、瞬間的に何かがわかるという印象があると思いますし、それを期待してしまうと思います。
 
ところが。長い間、教育の世界で数百人以上の生徒を見てきてわかったことなのですが、目の前の壁を「パーン」と越えるということは、ほとんどありませんそのような生徒を目の当たりにした記憶も、ありません。
 
・気がついたら、いつの間にか壁を越えていた。
・淡々と努力を積み重ねていたら、レベルが上がっていた。
 
と、いうことがほとんどなのです。ドラマティックに、何かの光が射し込むかのように瞬時に壁を越える体験をするのは、きわめて少数です。いつのまにか、静かに越えていたというのが多数だと思うのです。  
 

気がつくと、壁を「ゆるり」と越えている

 
壁を越える、といっても劇的な変化があるわけではない。行ったり来たり、もぞもぞしたり、上がったり迷ったりを繰り返して、気がついたら壁を越えているものなのだ。映画の主人公のように「パーン」とは越えないぞ。あれはエンターテイメントだから、わかりやすく劇的にパーンと越えているだけなんだ。
  
目に見える変化を感じられない時、成長している実感がなくて、不安を感じることも多いでしょう。しかし、努力を継続する限りにおいては、必ずどこかが成長しているのだ、見えない壁を越えているのだ。そのように自分に、繰り返し言い聞かせてください
 
実際にそうですから。
 
壁は「パーン!」とは越えません。ゆるやかに「気がついたら越えていた」ものなんです。(その2)へつづく
  


伝わる文章講座 佐藤 隆弘 拝  


リニューアルの追伸
ここでは「能力」について話しているのですが「チャンス」とか「タイミング」といったようなものにも、同じような印象をもっています。チャンスというものは、ある日静かにやってきて静かに去ってしまう。つまりそれに気がついた人は手にできるけど、気がつかなかった人の前は素通りをしてしまう。ですから、ぼんやりと「チャンスがこないかな」と待つのではなく、いつ「それ」がやってきてもすぐに飛び出せるように、臨戦態勢で備えておく。準備をしておくことが大切。と、経験から感じています。そなえましょう。


(その2)試行錯誤の時間が、成長の時間。

 
例えば「水泳」を始めるとします。
本を買ってきて、読んでみて「よし、これで大丈夫」と、いきなりプールに飛び込んでも駄目ですよね。情報を知っていることと、身につけることは別物です。練習して「技を身につける時間」が必要なのです。
 
本で読む、ということは新しい情報を知るということですから、勉強していてとても楽しいわけです。今まで知らなかったことがわかるし、モヤモヤしていたことの答えが見つかってスッキリします。挑戦してみたらできるかもしれない、という期待も生まれてきます。
 
なので、このように「新しい情報」に触れて、やる気が出てきた段階ですでに目の前の壁をどんどん越えているような気分になります。が・・・、それは「越えているような気分」になっているだけなんです。実際に越えているわけではなくて、本当は越える準備をしている段階なのですが「もうすでに越えているような気」に、なってしまい足を止めてしまう。そして実際に演習を始めようとする段階で、軽く燃え尽きてしまう。これが壁を越える前に挫折してしまう原因のひとつになっていると、私は考えています。 
 
 

迷いながらも練習を続けている時が、一番成長している。

 
本を読んで泳ぎ方がわかったつもりでも、実際にプールに出てみると泳げない。おかしいなあ、本には「あなたもすぐに泳げる」と書いてあったんだけど、などと考えながらも、それでも練習を続ける。練習。練習。練習。この練習の時期は、苦しいですね。水を飲んだり筋肉痛になったり、隣のコースの人にぶつかって、怒鳴られたり。予想外のことが起きたりもします。
 
オレってセンスないのかなあ、と思ったりもしますが、入会金も払ってしまったし、とりあえず3ヶ月は続けようかな、とめげずに練習して「指の向きはどのようにすればいいんだろう?」と本を開く。解説を見つけて「ああ、なんだここに書いてあった」と思い、次回また練習をする。繰り返す。
 
そうです。「これで大丈夫かな? なかなかうまくならないな」と、迷いながらも練習している段階が「いちばん成長している」のです。最初の壁を「ゆるりと越えて」いるんです。理論を一度身体に染み込ませるまで練習すると、意識しなくても実行できるようになります。
 
自分では「成長している感覚」がなくても確実に伸びているし、3ヶ月前の自分とは劇的に違う泳ぎができている。本を読んでモチベーションを上げることは大切。でもそこで満足せずに「続けるためのモチベーションを上げる方法」を考えていく。この工夫が最初の壁を越える際に、大切な考えのひとつだと私は考えています。(その3へつづく)
 


伝わる文章講座 佐藤 隆弘 拝
 


リニューアルの追伸
挑戦を始めるモチベーションと、継続するためのモチベーション。言葉は同じ「モチベーション」ですが、それを上げて行く方法は異なるもの。私の場合はモチベーションの強さが、20代30代は「挑戦>継続」と明らかに挑戦の方が強かったのですが40代に入ってからは「挑戦<継続」と変化してきたので、最近は「挑戦するモチベーション」を高める工夫をしています。年代や環境などによっても変化すると感じているので、研究していくと面白いと思います。

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