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売れる文章講座

ルール その7

技法にこだわり、本質を見失っていないか?

売れる文章に、学校教育の知識はいらない

 
 
「国語が苦手で、作文の時間が一番嫌いだったもので・・・」
「もっと学生の頃に、文章の勉強をしておけば良かったと思います」
 
みなさんから、いただく質問の中にはこのようなパターンの質問が、とても多いのです。中には「句読点の打ち方について。主語と述語の関係」など、具体的な文章表現の技法的を質問してくる方もいらっしゃいます。さて、ここで私は声を大にして言いたい。
 
「売れる文章に、学校教育の知識はいらない!」
 
思いきって言い切ってしまいましたが、これが私の本音です。もちろん、誤解のないように付け加えておきますけれど、文章の技法や表現に関する知識が、不必要だというわけではありません。豊かな知識は正しく物事を判断する礎になりますから勉強するにこしたことはありません。
 
そうではなく「学校教育における評価基準」で文章を書こうとする必要はありませんよ。それは、私たちが目指している「伝わる文章」とは、また別のところを評価しているかもしれないから、ということです。
 
 

おもいで

 
私が進学塾で講師をやっていた時のことです。論文模試の後、回収した生徒の答案用紙をまとめている時に、なんとなく、ある生徒の答案が目に止まったので軽く読んでみたのです。課題は「私の趣味について」で、自分の趣味の魅力を他者に伝える、といったテーマのものでした。
 
その生徒は「アニメが本当に好きで、気に入ったものはエンドロールに出てくる名前も全部覚えたい」というような事を、規定枚数いっぱいまできっちりと書いていたんですね。かなりマニアック(笑)でも、具体的な名前やデータも豊富で、かなり説得力がある。読んでいると「アニメも結構、おもしろそうだな。今度DVDレンタルで、借りてみようかな」という気分になってきます。
 
私は「この小論文は、かなり高得点をもらえるのではないかな」と考えていました。入試における小論文の目的のひとつが「自分の意見を論理的に他者に示し、説得する力を身につける」という意味合いを持っているとするならば、自分の意見をデータで証明して、さらに資料を示すことで説得力のある文章に仕上げている。そして、何よりも個性的で読んでいて面白い、と思ったからです。
 
数週間後、採点結果が帰ってきました。さっそく、その生徒の採点データーを見ます。わりと平凡な点数です。赤ペンが入った答案用紙を確認。点数が伸びなかった理由がわかりました。「誤字・脱字が数ヶ所あり、大幅に減点されていた」のです。
 
 

大切なことは「技法」ではなく「情報の質を高めること」です。

 
多くの方が、この論文模試の採点基準のように、技法や言葉遣い文法に視点を当て、減点方式で文章を書いてきたのではないかと思います。無意識のうちに「学校教育で受けた作文指導 =良い文章」と考えている部分があると思うのです。しかし、私たちが目指す「伝わる文章」が大切にしている部分は、そこにはありません。優先順位は「表現技法」ではなく「お客さんが知りたいことを書く」そして「情報の質を高めていく」ということです。
 
お客さんが知りたい「情報」を、プロの視点からたくさん用意する。その情報を「読みやすいように」整理しアレンジしていく。美しい表現技法や難解な漢字を並べることではなく「何を語っているのか」に全力を尽くして行く事が大切なのです。
 
内容! 内容! 内容!
 
です。平凡な言葉遣いでも、表現技法が駆使されていなくても、自分が知りたいことが、わかりやすく面白く書いてある文章を、目指して努力を積み重ねていくのです。
 
 

商品に対する「豊富な知識」を「ていねいな言葉」で表現する。

 
繰り返しになりますが、 過去の学校教育における評価だけで、あなたの「文章力」を判断してはいけません。学校で求められた「文章表現」と、今あなたに必要な「文章表現」は 言葉は同じですけれど、必要とされているものは大きく異なるのだ、ということを覚えておいてください。
 
学校で書く作文が苦手だった、ということで、自分の評価を下げてしまうことは、本当にもったいないことです。それはそれ、これはこれ。今からでも学び始め、練習を重ねていけば、十分に「あなたらしい文章」は書けるようになるし、それはもしかすると、今のあなたが考えているよりも、ずっと簡単で大きな可能性を秘めていることなのかもしれません。
 

伝わる文章講座 佐藤 隆弘 拝

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